単なるe‐ショッピングができるインフラとしての場を提供するだけではなく、事業協力や業務提携などを積極的に進め、特約店とは共同出資会社の設立も視野に入れて検討していることを見ても、Sがいかにネットショッピングを迅速に立ち上げようとしているかがわかる。
Sのネット事業拡大には、こうした新たな協力体制の進捗が大きく影響するのではなかろうか。
また、急拡大が予想されるPCのBTO/CTO(ハード・ソフト両面における顧客ニーズの製品ラインナップ)化に対応した新しい販売形態の実現を、パソコン中心の量販店と一体になり進めていこうとしている。
要するに、「Sスタイル」というサイトは、インターネットというバーチャルな世界で完結させないで、集客・展示・物流・アフターサービスといったリアルな世界との連携に基づく、新しいネット・ビジネスモデルの構築、e‐コマース・プラットフォームの提供を実現することで、新しいライフスタイルの発信基地を目指している。
特に注目されるのが、異業種との協力・提携関係の強化をはかっていこうする姿勢で、エレクトロニクス商品に限らず、流通・保険・教育・情報サービスなど、業種を問わないのである。
Sの”ドット・コム“ビジネスの3番目は、2000年4月に全額出資(資本金2億4000万円)のもとに設立された、「サイバージーンドットコム」(社長・佐藤裕)でネットマーケティングの新星サイバージーンドットコムこの新会社はベンチャー企業とともにネットワーク上の新しいマーケティング手法を提案し、ネットワークを使ってユーザーと企業をダイレクト(直接)に結び、新しいカスタマー・リレーションシップ(顧客とのつながり)を実現しようというもの。
こうしたネットマーケティング・サービス事業を手掛けることで、複雑・多様化する顧客のニーズを汲み取り、新規事業のフォーカスを常に把握しようとしている。
具体的に、新会社はベンチャー企業のヴィジョンァーッ(本社東京)が開発した、ネットワーク・インターフェース技術「IP3」を活用し、Sグループをはじめとする様々な企業に対し、これまでにないネットワーク上でのマーケティング手法を提案するこの「IP3」は、コンピューター画面上に表示された画像アイコンを通じ、たとえばタレントや商品などユーザー噌好に応じた情報の提供だけではなく、自動的に情報を更新する技術であるという。
本格的なネットワーク時代を迎え、ユーザーはインターネットを通じてさまざまな情報の入手が可能となった。
しかし、膨大な情報の中から入手したい情報を探し出すのは困難新会社が提案する新しいマーケティング手法を、具体的に見ていこう。
ネットマーケティングのルールブレーカーを目指してところがこの新会社が提供する「IP3」は、面倒なプロセスを一切なくし、画像アイコンをクリックするだけで欲しい情報に即座にアクセスできる。
新会社としては2000年6月下旬から、「IP3」の普及に向け、ユーザーにクライアントソフトの無料配付を開始し、Sグループをはじめ数多くの企業に画像アイコンを使ったマーケティング手法の採用を呼びかけていくという。
第一に、e‐メッセージの提供である。
これは画像アイコンを一覧できる「e‐メッセ」サイトを立ち上げ、Sグループだけではなく数多くの出展者(情報提供者)を募る。
このサイトはユーザーが画像アイコンを使って、いろいろな商品情報を入手したり、商品を購入することができるための、電子商取引(e‐コマース)サイトである。
第二に、ユーザーと広告主をダイレクトに結びつける広告展開。
従来のバナー広告とは異なり、商品や企業の情報を含む画像アイコンがデスクトップ上に常に表示されることから、ユーザーと広告主をよりダイレクトに結びつける新しい広告の実現を目指す。
第三に、新しいメール配信ビジネス。
従来の文字だけのメール配信とは異なり、最新の関連情報へのアクセスが容易になる画像アイコンをユーザーに送信し、より訴求力の高い情報提供を行なう…といったことが主なものである。
D井は「ネットワーク時代においては、ベンチャー企業を含むさまざまな企業との提携を視野に入れ、環境の変化にスピーディーに対応することが必須となる。
今回のビジネスモデルはその好例となるだろう。
ヴィジョンァーッの持つIP3は、ネットワーク・インターフェースのルールブレーカーになると確信しており、新会社のビジネスモデルのコアテクノロジーとして期待している」とコメントしている。
最近のSの事業展開を見ると、経営のプロセスをIT(情報技術)化するだけでは「ドットコム・ビジネス」の展開は、異なる消費者ニーズに対して、一人ひとりを対象とする”ワン・トゥ・ワン”マーケティングの実践である。
これからのメーカーは、どんなに素晴らしい商品を開発したとしても、それらを効率良く販売していくことができなければ、大量の在庫を抱えるだけである。
メーカーといえども、マーケティングカが経営を左右するネットワーク時代に、Sは対応しようとしてエレクトロニクス商品市場は成熟期に入りはじめており、新商品を開発したからといって消費者は簡単に飛びつかない。
Sの強みはAV(音響・映像)機器であり、消費者市場におけるブランドカである。
これらを核にしていかに消費者のニーズに応えていくか、ネット利用による効率的なダイレクト販売をしていくかが、大きな経営課題となってきてなく、消費者との新しい接点を持つためのネット戦略としてのドットコム・ビジネスの立ち上げが目立っている。
前述した「Sスタイルドットコム・ジャパン」もそうだし、「サイバージーンドットコム」も、インターネットを使用してのマーケティング力の強化をねらいとしている。
S・コンピュータエンタテインメント社長のK木健は、プレステ2について次のように語っている。
Sの今後を左右するプレステ2「プレイステーション2はゲーム機ではない。
プレステ1の単なる後継機でもない。
プレステ1はゲーム機として開発したが、プレステ2は家庭用エンターテインメントとして位置づけられている・ゲームだけではなく、音楽や映画などを融合させたマシンである。
ユーザーは家庭においてこのプレステ2でゲームを楽しんだり、CDの音楽を聞いたり、DVDソフトの映画を見たりといったことが、ごく日常的なものになってくる」「プレステ1」「プレステ2」は、いまやSグループ全体の事業展開をも大きく左右する戦略商品に成長している。
2000年3月期決算を見ると、連結売上高6兆6867億円(前年度比2%減)のうち、ゲームの売上高は6547億円(同陥・5%減)で売上構成全体の9.4%を占めている。
的年3月期の2%からは2ポイントほど落ち込んでいるものの、ゲーム事業だけで連結売上げの1割前後を占めている。
また収益面では、営業利益は773億円(同偲%減)とこちらも大幅に減少しているが、それでも営業利益全体(2406億円)の32%、実に3分の1近くを占めており、Sグループの収益がゲーム事業に大きく依存していることがわかる。
ゲーム事業の売上げ、営業利益の落ち込みについて、S側の説明は次の通りである。
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